8月8日 水曜日 入院62日目 術後54日目
入院している福岡整形外科病院の看護師はみんな優しい。特に清潔援助に関しての取り組みは感心してしまう。現在私も日曜以外毎日シャワー浴が出来ているので満足している。病棟40~50人の患者を必死に浴室に案内するナースやナースエイドの方の苦労がよくわかる。
出来たらリハビリ後に汗を流したいが、患者のほぼ全員がリハビリをしているのだ。私が一度、
「リハビリ後の4時頃に入りたい。」と希望を言ったことがある。すると、ナースエイドの顔が硬直し、
「みんながそんなことばかり言って!全員入浴出来ないでしょ?!」と怒られた。はい。その通りです。文句言わずに朝のシャワーをしてきましょう。
転院してきたある患者が話してくれた。救急車で運ばれた病院に1週間入院していたが、その間、シャワーはおろか、おしぼりの一つも看護師は持ってこなかったと。この病院に転院してきた途端、やれ、おしぼりだ、やれ、シャワー浴しろと言われてびっくりしているそうだ。
いろいろな病院があって、いろいろな看護サービスがある。でも、サービスのランクは雲泥の差があるようだ。残念なのは、どんなサービスをしてくれるのかが、入院前にはわからないこと。
8月10日 金曜日 入院64日目 術後56日目
術後8週が過ぎた。骨折部の修復には8週かかると言われている。私の骨は修復できたのだろうか。
夕方社長から電話がある。「明日、引っ越しするよ。立派な社屋になっとるけんね。」と期待がいっぱいという感じの電話であった。社長にすれば、いよいよだという思いが強いのだろう。
本日の採血結果は肝機能の値が入院する前は、3ケタに近かったのに、全部20~30になっていた。さすが病院食!普段の食事がいかに健康な身体を作っていくのかを実感する。
8月11日 土曜日 入院65日目 術後57日目
ケアワーク九州の新社屋への引っ越し日。
15時頃旦那がやってきたので、無断外出し、連れて行ってもらった。まだ引っ越し作業の真っ最中だった。これ、今夜中に終わるの?という感じだったが、スタッフがみんな近寄ってきてきてくれて、笑顔で迎えてくれた。2階がケアプラン室だということで、社長が、
「2階に行こうか?おんぶしちゃるよ。」
といってくれたが、丁寧にお断りした。一番ケアワーク九州が変化する時期に私は何を入院なんかしているのだろう。
本日のリハビリで1本杖歩行の訓練をしたが、まだまだ安定感がない。膝の痛みも強い。担当PTに
「今月中に私本当に退院できますか?」と心配になり聞いてみた。PTはちょっと首をかしげ、
「三分の二荷重でこんなに今不安定ですからねえ・・・。少なくとも自立歩行での退院はむりかなあ・・・」とはぎれが悪い。病棟で自主訓練で歩いてみると、膝の痛みが強くなり、そうそうに取りやめた。大丈夫だろうか・・・・
車いすを借りている福祉用具の相談員へのお礼として、入院患者に私は福祉用具や靴、スリッパなどカタログを片手に勧め回った。お陰でかなりの注文を受け、本日大荷物を抱え、相談員がやってきた。
入院してたって、私の営業力は 『どんなもんだい!』
8月12日 日曜日 入院66日目 術後58日目
今日から私は、リハビリの鬼となるんだ。今月中の退院を実現するためには、リハビリ室だけの訓練じゃ出来ないことを痛感した。病室の前がちょうど100mぐらいの廊下で手すりがしっかりついている。今日は朝から何度もその廊下を一本杖で往復している。
おばあちゃんが通り、
「よう、ガンバなさるね。感心、感心。」と言いながらすれ違う。よく見れば、ここはリハビリ中心の病棟なのに、こうやって自主訓練している人なんかいない。私の病室は、布わらじを作るおばちゃんたちに占領されている。
8月13日 月曜日 入院67日目 術後59日目
今日も朝から病室まえの廊下をいったりきたりしている。膝の痛みはあるけれど、おそらくこの痛みに耐えてこそ、自立歩行へ繋がるものと信じている。
私のがむしゃらぶりが、ちょっと有名になった。すれ違う看護師さんもニッコリ笑いながら、
「頑張ってますね。」と声をかけてくれる。喫煙所仲間は「無理すんなよ。」と声をかける。
先日採血した検査で、なんと中性脂肪やコレステロールまで正常に戻っていた。主治医のM先生が結果を示し
「すごいねえ!肝機能も中性脂肪もコレステロールも正常ですね。もう、退院ですね。」
「先生、わたしゃ、内科では入院しとりまっせん。」
「あ、そうか、そうか。整形外科だった・・・・」
アホな先生とのぼけとツッコミ。
8月14日 火曜日 入院68日目 術後60日目
世間はお盆だが、変化のない入院生活だ。入院三ヶ月目ともなると、いろいろな患者とも知り合いになり声をかけあうようになった。
その中の一人が本日バースディー。別の患者が、ワインを一本ひっさげて喫煙所にやってきた。今宵はバースディーパーティーの始まりだ。つまみもちゃんと用意されていた。
私も白ワインを久しぶりに口に含み、美味しさを噛みしめた。えっ?入院中は禁酒じゃないのって?
まあまあ、そういう規則破りをすることで、さらにワクワク感が増すんじゃない?
つづく