8月28日 火曜日 入院82日目 術後74日目
今日も会社に出勤した。入院中に出勤というのもおかしなものだが、9時30分から16時まで会社で過ごした。
私が入院している間、私の利用者は他のケアマネが担当してくれた。9月からは、その利用者を全部担当しなければならない。サービス計画書も作成者を私の名前にして全員分作成するのだ。
20人あまりの利用者だが、かなり大変な作業であり、ため息が出る。加えて、歩行に障害がある。松葉つえをつきながら、コピー機の前やら印刷機の前やらをウロウロしている。
夕方病院に帰り、すぐにリハビリ。今日は、利用者宅訪問を想定して、和室での立ち振る舞いをシュミレーションした。畳に足を投げ出したあと、さあ、立とうとする動作が出来ないのだ。テーブルなどのつかまりものがない時は、うつぶせになって、よつんばいになって、段々両手を足に近ずけてとPTの指導があった。
そんなぶざまな格好が利用者宅で出来るわけないやんかあ!!
利用者宅には、折りたたみの椅子を持ち込もうと決心する。
8月29日 水曜日 入院83日目 術後75日目
本日も会社へ出勤。事務所で電話を取ったら、私の利用者の息子様だった。
「あっ?!もう仕事してるんですか?」
「いやいや、入院中ですが書類整理にきているんです。9月から仕事します。」
「じつは、相談があって・・・・・」
「そうなんですね。それでは、9月5日にサービス担当者会議を開きましょうね。私は松葉つえをついて行きますから、笑わないでくださいね!」
「ハッハッハ。大丈夫ですか。気をつけて来てください。待ってます。」
笑い話で話しは終わったが、利用者の玄関にたどりつくには、階段が二か所ある。手すりもないような階段を登れるのだろうか・・・・。もし、転落したら・・・・。 出勤二日目にもうサービス担当者会議とは悪夢だ。
ごめん。片田さん。私の介添えでつきあってください。
8月30日 木曜日 入院84日目 術後76日目
いよいよ明日退院。
退院のための荷造りをしていると、ちょっぴり切なくなってきた。三か月弱過ごした空間だものねえ・・・それなりに楽しかった。
本日、最後のリハビリ。「今日で最後ですね。」というPTの言葉を聞いただけで、ポロポロと涙がこぼれてきた。彼との別れが一番胸にせまるものがある。まったく歩けない状態から、ステッキで歩けるまでになったのは、彼の指導のお陰だ。叱咤激励されることが多かったが、時にみせた優しいまなざしと笑顔を忘れない。
8月31日 金曜日 入院85日目 術後77日目
本日、退院!!!
朝早く、喫煙所で、物思いにふけっていたら、
「やっぱりここだった。退院おめでとうございます。」と担当PTのNさんが、笑顔で挨拶された。まだ職場に行く前に顔を出してくれたようで、カジュアルな服装のまま喫煙所に立ち寄ってくれたようだ。
またまた感涙・・・・・。もういやだ。
旦那の迎えがあり、9時に退院。旦那が、病院を振り返り、
「ここにも、よう通ったなあ・・・」としみじみ言った。一日もかかさず通った旦那に皆勤賞をあげよう。
6月8日から8月31日までの入院期間。
葛藤、挫折、喜び、あせり、感動、涙、躍動、仲間・・・・。さまざまな心のうねりがあった。
全てのことに感謝したい。