数年前から担当している利用者。
本日、誕生日だったので本部の稲垣管理者と花を届けた。とても喜ばれ、
「見てん。あそこに去年もらった花をそのままにしてるんよ。」と指さす。1年が経過したフラワーアレンジメントはすっかりドライフラワーになっていたが、その形はきれいなままだった。
「○○は親が誕生日だというのに、何も連絡してこんとよ。宇野さんも子供とはよく連絡とりなさいよ。いつまでも親子の縁は大事にせんとね。」
認知症で、物盗られ妄想がひどく、その攻撃先は娘様になっている。口を開けば「娘が泥棒していく!」と訴えるので、娘様も次第に足が遠のいてしまった。全部利用者本人が引き起こしたことなのに、その理解が出来ないことが認知症たるゆえんではあるのだが・・・・・
でも、私たちに娘様の悪口を言いながらも、娘様が連絡してくるのを待っているんだなあと感じた。私に親子の縁は大事にしろと説教されたあとすぐに、
「Aさんだって、娘さんを泥棒扱いばかりしないで、優しい言葉をかければいいのにぃ!」と言うと、顔をしかめた。
事務所に戻り、娘様に電話した。
「何やかや言っても、娘さんから誕生日のプレンゼントが届くのを待ち望んであるようですよ。」
「そお?どうしょうかなあ・・・・って思ってたんよ。わかりました。私が電話したら、又喧嘩するから、娘に『おばあちゃん、おめでとう!ってすぐに電話かけさせます。ごめんねえ。気を使ってもらって。」
困ったちゃんだけど、愛嬌があるかわいいおばあちゃんだ。娘様も母親とは距離を持っているが、うちの会社にはよく訪れてくれている。全て病気がこの親子を引き裂いているのだ。
なんとか出来ないのかなあ。ケアマネとして、私はどの位置に立てばいいのだろう・・・・
宇野 恵子
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