一か月前に膝の手術をした利用者がいる。入院するまでは、膝の痛みはあったものの、外出も自由にされていた。
手術後一か月。リハビリが強化され、そろそろ在宅にもどるか、リハビリ病院への転院かと思いながら、病院を訪問した。リハビリを頑張るよう激励するつもりだったのに・・・・
病棟で部屋を聞いて訪問するとなんと個室だった。えっ?低所得者なのになんで?と思って入室すると、うつろに目を動かし、
「誰?宇野さん?」と呂律が回らない様子で話す。
びっくり仰天だ。明るく、『リハビリ頑張っているよ!』という言葉を期待していたので、
「どうしたんですか?!目がはっきり見えないの?もしかして脳梗塞の再発ですか?」
はあ~・・・なんということだろう。手術をしてもしなくても、脳梗塞の再発はあったのかもしれないが、どうしても手術による影響があったと思ってしまう。
そういえば、別の利用者で、心臓弁膜症の手術をしたら、血栓が脳に飛び、脳梗塞で失語症、右上肢の麻痺となった方を現在担当している。硬膜外麻酔をして血腫をつくり、今でも足のしびれに苦しむ利用者も担当している。
手術によるリスクはいつもあるのだなと改めて思う。手術室勤務経験25年の私が今さらそんなことを実感するのもおかしな話しだが・・・・・。やっぱり外に出ないと分からないことってあるのだ。
宇野 恵子