つい1週間前に全身に浮腫が出現し、受診した利用者。胸水までたまり、入院治療が適当と言われた。しかし、利用者の「入院したくない。」の一声で在宅で様子を見ることになったのだが・・・
利尿剤が処方されたこの1週間。訪問介護事業所からは
「おむつにたっぷり尿失禁がある上に、マットまで漏れています。」という報告を毎日のように受けていた。
そうして本日受診。息子様も病状を知りたいと仕事を休まれて付き添われた。本日も心エコーや心電図で心臓の検査、肺のレントゲンで胸水の検査、血液検査などを行った。かなり待ち時間があり息子様とゆっくり話すことが出来た。頻繁に母親の元に出向き、お世話をされている様子。母親にとても優しいまなざしを向けられている。
さあ、検査結果が出揃い、診察室に呼ばれて言われた一言に驚愕する。
「不思議ですねえ。胸水はなくなっています。全身の浮腫もないし、心エコーでは心臓の動きがとてもいいんですよ。1週間でここまで回復するもんですかねえ・・・・・?薬の反応がいいですね。」
診察した医者の方がびっくりしている。85歳という年齢なのに、強靭な心肺機能だ。先週は体重39kgだった。本日は27kg。つまり浮腫の原因となった、10リットル以上の水が排出されたのだ。この回復力に敬服する。もちろんリハビリOKの指示がでる。
さあ、次はリハビリと栄養。どこまで回復するのかが、私も楽しみだ。
夕方、稲垣管理者から素敵な詩を紹介された。認知症の親を介護している全ての人に届けたい。
『 手紙 ~ 親愛なるこどもたちへ
年老いた私がある日、今までの私と違っていたとしても
どうか、そのままの私を理解してほしい。
私が服に食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても
あなたにいろんなことを教えたように見守ってほしい。
あなたと話す時、同じ話しを何度も何度も繰り返しても
その結末をどうかさえぎらずにうなずいてほしい。
あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は
いつも同じでも私の心を平和にしてくれた。
悲しいことではないんだ
消え去ってゆくように見える私の心へと励ましのまなざしを向けて。
楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのを嫌がるときに思い出してほしい。
あなたを追いまわし 何度も着替えさせたり様々な理由をつけて
嫌がるあなたとお風呂に入った懐かしい日のことを
私を理解して支えてくれる心だけをもってほしい。
きっとそれだけでそれだけで 私は勇気がわいてくるのです。
あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように
私の人生の終わりに 少しだけ付き添ってほしい・・・・・ 』
宇野 恵子
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