8月15日 水曜日 入院69日 術後61日目
病院はお盆休みで本日リハビリもなし。午前中はなんとか自主訓練をして過ごしたが、午後から退屈さに死にそうになり、旦那にSOS電話。
「ミスターマックスに買物に行こう。それからラーメンも食べたい。すぐ来て!」
何度か目の無断外出。ミスターマックスで服を買い、ラーメンを食べているうちにいらいら感も消失した。
8月17日 金曜日 入院71日目 術後63日目
病棟での自主訓練続行中。おそらくどの患者より熱心にやっているという自信がある。
そのせいか、松葉つえ1本歩行もスムーズに出来るようになった。リハビリは裏切らない。担当PTも驚き、
「さすがに、自主訓練しているだけありますね。これからは、体重全荷重ですから、スパルタで行きますよ!」
と言った。
「望むところです。受けて立ちます!」と返事する。だって、あと2週間で9月になる。9月から仕事復帰をしたいと思っているのに、今頃全荷重で本当に間に合うのだろうかという不安の方が強い。
8月18日 土曜日 入院72日目 術後64日目
夕方から喫煙所仲間と近くの回転寿司屋に出かけた。外出許可書に「回転すし屋行き」だなんて絶対に書けません。
あるものは、「親戚の法事」 あるものは、「家族の誕生日会」 あるものは「友人との夕食会」・・・・
はい。私は家族と食事と届けた。久しぶりのシャバの寿司の美味しかったこと。看護師さんは不思議に思わないのだろうか。同じ病棟で同じ時間までの外出届けが4人分出されたこと。
うちの旦那は、地域の夏祭りがあるとかで、欠席。松葉つえで外出してみると、世間にはなんとバリアーだらけだろうかと感じてしまった。下を向いて歩かなければ、こけてしまいそうだ。また、お店は、開き戸であったが、松葉杖をつきながら、重たい扉をあけることがどんなに不自由なことか・・・・
私は数か月の不自由さですむが、一生そんな思いを抱いて外出している人も世間には多いのだろう。せめて、開き戸があったら、足の不自由な人はいないかなとまわりを見渡していきたい。
また、旦那の付き添いなしでの外出は初めてだったが、旦那の完璧な介護人ぶりを痛感した。車のドアをあけてくれ、松葉つえを眼の前に立てかけてくれる。店に入る前に、ドアをめいっぱい開き待っている。テーブルに座る前に、椅子を引いて待っててくれた。だから、私は外出することに何の恐怖も感じなかったんだと今日改めて感じることとなった。
こりゃあ、旦那にヘルパーの資格を取らすしかないか・・・・。
8月20日 月曜日 入院74日目 術後66日目
リハビリで今日初めてステッキ歩行を習った。おじいちゃん、おばあちゃんが使うあのステッキだ。まさか、この私が使うことになろうとは、なんと情けない。
松葉つえのように、体重を思いっきりステッキにかけたものだから、ステッキはグラグラと大揺れ。へっぴり腰になり、思わず、
「無理!無理!無理!」と大声で叫ぶ。
「ステッキに体重をかけないで、自分の足に体重をかけて!」とPTの厳しい声が飛ぶ。ステッキはバランスをとるだけのものなんだと、初めて知る。
はあ~・・・・。世の高齢者がステッキを上手に使っている姿を見るたび、又自己嫌悪だ。私はステッキさえ、上手く使えない・・・・・
リハビリが終わり、膝にアイスパックをしている時にボーッと考えた。うまく歩けるようになり、担当PTのNさんから
「今日で卒業です。」と言われたら、きっと私は号泣するなと、その情景を思い描いた途端、私の眼から涙があふれてきた。コラコラ。今嬉し涙をこぼしてどうする?と自分につっこみを入れる。
つづく
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