利用者訪問の真っ最中である。本日の訪問予定の利用者は、拒否がとても強く、外部の人をまったく受け入れなかった方だ。
あれから4カ月かかって、どうだろう。「おはようございます!」とヘルパーが玄関先で言うと、「は~い。」といって、玄関をあけてくれるまでになった。最近の問題は、おそらく入浴していないだろうということ。もちろん、本人に、
「お風呂は入ってますか?」と聞くと、
「ちゃんとはいってますよ。」というのだが、浴室の様子を見ても、ここ一カ月以上入っていないだろうとの結論だ。それと、受診。本人は、ちゃ~んと受診してますよ。お薬も飲んでますよというのだが・・・・ついこの間も、娘に受診を促すと、激しく拒否する母親と喧嘩したらしく、
「母を病院に連れていくことはできません。」と電話してきた。
そんな利用者の課題を思い浮かべながら、訪問した。私の顔を見て、笑顔を見せたのだが、すぐに訴えた。
「今日、おかしいの。口がまめらん。呂律がまわらないの。口がしびれている。頭がカッカしている。おかしいんです。」と必死の訴え。
血圧を測り、正常。両手両足の筋力を確認するが、麻痺はない。しかし、呂律がまわらないのは、脳梗塞の症状だと確信した。
「嫌がっても、今日は病院には絶対に行かなければなりません。いいですね。電話しますよ。」と言うと、予想に反して、素直にうん、うんと言う。あれほど病院に行くのを嫌がっていたのに、素直に従うのは、よっぽど自分の中で、自分の身体がおかしいと感じたのだろう。たとえ認知症があったにしても、この訴えを大切にしたいと思った。
近くの脳神経外科でMRIをして、小脳の虚血症状があるので、総合病院にすぐに入院するようにとのことで紹介状をもらった。後の訪問予定をすべてキャンセルして付き添った。早い治療で、せめておしゃべりが正常に出来るようになってもらいたいなあ。
いい機会だと思い、利用者にいった。
「退院したあとも、病院にはきち~んとかかるようにしましょうね。ヘルパーが一緒に連れていくから、約束ですよ。」と言いながら、小指をからめ、指切りをした。
「そうね。うん。ちゃんと病院に行きますよ。」と言ってくれた。なんと素直・・・・
バンザーイ!!
残念なのは・・・・この指切りを5分後には忘れていること・・・・・ああ・・・・
宇野恵子
syounosuke様、コメントありがとうございます。厳しい財政の中で、どこも生き残りをかけて必死ですよね。今現在仕事があることに感謝しなければ・・・