昨夜、いつの間にか寝込んでいて、今日のお弁当の準備も出来なかった。
さて、お昼になり、事務所の近くにおいしいチャンポン屋さんがあるので、どうしてもそこに食べに行きたくなった。しかし、まわりを見渡しても、みんなお弁当持参。
「誰か、チャンポン、食べにいかな~い?」と誘うと、二日前に本部第一の管理者候補で入社したI氏が手を挙げる。
「えっ?お弁当持ってきてないの?」
「いや、あるんですけど、チャンポンを食べたい気分なんで・・・」
「よしよし。その愛妻弁当は、午後食べなさい!」と言って、二人してチャンポンを食べに出かけた。「宇野さんの迫力に愛妻弁当が負けた~」とみんなから囃したてられた。
そして、業務も終了まぎわ、やおら、デスクにお弁当を広げて食べだしたI氏。そりゃあね、まったく手をつけていないお弁当を持って帰る訳にはいかないもんね。
「家に帰れば、何気ないふりして、夕食もたっぷり食べなくちゃいけないんですよ~」と嘆くいI氏。
私もそうだ。夜8時9時まで仕事するのはざら。空腹になると、思考回路が停止する私は、夜、会社で出前をとることも珍しくない。お腹が満たされてこそ、仕事もはかどるというものだ。
しかし、しかし・・・・そうやって、満腹で帰宅すると、愛する旦那様がちゃ~んと夕食を作って、テーブルに並べている。ごめ~ん。もう食べちゃったなんて、死んでも言えない。
「わあ!美味しそう!」と言いながら、平気な顔をして満腹のお腹にさらに押しこむ。
ああ、人はそうやって太りゆく・・・・
宇野 恵子