大学病院から依頼された要介護4の利用者がいる。頚椎症で、手足のしびれなどがあり、歩くのも、介助してやっとという感じで引き継いだ。
その後、整形外科で手術し、リハビリ病棟でリハビリを頑張ったら、なんと、自力歩行ですたすた歩けるようになった。その回復力に驚き、一緒に喜んだ。これじゃあ、次の保険証の更新では、要支援だなと確信しつつ・・・・
さて、退院して、本日自宅を訪問すると、ゆったり畳にすわっている。顔色もよく、笑顔が多い。よっぽど家に帰りたくて、リハビリを頑張ったのだろうと想像された。ここで、安心して家でゆったりしていたら、筋力がだんだん衰えていくのは、目に見えている。ところが、退院時に病院併設の通所リハビリをどんなに勧めても「うん」と返事しなかったらしい。病院の相談員から、
「通所リハビリをなかなか承知されませんので、あとは、宇野さん、お願いします。」との申し送りがあった。自宅でも奥さんはリハビリを継続してもっともっとよくなってもらいたいと願っている。一緒に買い物に出かけたが、やはりハラハラしながらの道中だったらしい。
そういう話を聞きながら、私も一生懸命すすめた。期限つきでもいいから、もっと筋力をつけましょうと奥様と一緒に勧めると、じっと考え込みながら、
「しゃあないなあ。顔をたてて、行ってやるよ。」との返事。
その言い方がおかしくて、奥様と一緒に大笑いした。
「すみませんねえ。私たちのこんな顔でも、立てていただいて、ありがとうございます。」とお礼を言った。奥様の顔やケアマネの顔をたてて、行ってやるよ・・・・なんか、ちょっと嬉しい出来事だ。
もちろん、病院の相談員に、
「通所リハビリにいくそうです。リハビリスタッフに、よく申し送りしていてくださいね!」
どんなもんだい!と言わんばかりに電話したのは、言うまでもない。
宇野 恵子
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