介護サービスを受けるためには、必ず認定調査を受けなければならない。その結果が要支援または、要介護と出なければ利用することができないのだ。
区役所の認定調査員が自宅に行き、身体機能や認知の状況を事細かに調べていく。家族がいれば調査の立会いをお願いするが、ひとり暮らしの利用者には、ケアマネージャーとしてほとんど調査に立ち会っている。
なんでこんなに時間的ゆとりがないのだろう?といつも思っていたが、謎がひとつ解けた。私の利用者は、ひとり暮らしが15人もいる。調査にも立ち会うし、普通、家族がすることを、かわりに駆けずり回っているような気がする。
先日は、要支援2の利用者の認定調査に立ち会った。軽い脳こうそくはあるものの、外出に支障なく、気ままにあちこち出かけている。しかし、最近どうも理解力が落ちてきたなあと感じていた。だけど、一人で外出はできるし、今日の日付は?曜日は?季節は?の質問をなんなくクリアーした。こりゃあ、駄目だあ・・・・また要支援だな・・・と思った瞬間、利用者がおもむろに、
「これはどうしたらいいかなあ?」と数々の電気、水道、ガスなどの請求書を持ってきた。ほとんど支払期限を過ぎている。グッドタイミングと思った私は、「請求書の内容がよく理解できなくて、毎月事業所にいっぱい書類を持って来て、こんな風に聞かれるんですよ。督促状なんかもよく届いています。」と付け加えた。
調査員は頷き、
「生活費の管理と書類の理解が不十分なんですねえ。要介護になって、デイサービスにももっと行きたいんですね。わかりました。そこを強調しておきます。ひとり暮らしで調理ができないなら、栄養的にも問題ですからね。」と一人納得し帰っていった。
あそこで、数々の請求書を出してくれたのは、ナイスタイミングだったなあ・・・要介護になってもっとサービスを充実させることができればいいな。期待して結果を待とう。
宇野 恵子
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