毎日お騒がせの認知症のご夫婦。2~3日に一回は、事件がおきて奔走している。
特にご主人は、長谷川式認知症スケールが14とかなり認知が進んでいる。5分前に説明したことでも、「わしゃ、何も聞いとらん!」と言われるほどだ。だから、一日中、奥様に振り回されないよう、デイサービスを計画し、昨日体験した。
デイサービスから体験の様子が報告されたが、どうも他の利用者とトラブルがおきたらしい。「こちらの配慮不足で、席を離しておくべきでした。」とデイサービスの管理者が恐縮されていた。大丈夫、大丈夫。きっと忘れているから・・・
今朝、自宅に行き、「デイサービスは楽しかったですか?来週から行きましょうかねえ?」と言った途端、
「あんなとこ行けるか!!へんな爺さんが俺のところにきて、『そこは俺の席じゃ!どけ!!おまえは帰れ!!』って言われたとばい。もう、絶対行かん!」と、すごい剣幕で私を怒った。
えっ!?昨日起きたことを、そんなに詳しく覚えているんだと、そっちの方にびっくりした。言い換えれば、忘れられないほど、見知らぬ人から怒鳴られたことにショックを受けたんだなと納得した。感情の動揺があれば、記憶は残るものなんだなと再認識した次第。
「わかった。嫌な思いをさせてごめんなさいね。そしたら、もう一回だけ、一番おすすめのところがあるの。そこだけ、来週また体験にいこ?」
「あんたが、そこまで言うなら、もう一回だけ、いってやるたい。」と了承をとる。
今度は、認知症対応型の小規模デイサービスを勧めることにした。管理者に、ことの経緯をくわしく説明し、気を配ってもらうことにした。
どうか、うまく行きますように・・・・体験中、様子を見に行こう。
もう、こうなりゃあ、とことん、このご夫婦にお付き合いしますよ。
宇野 恵子